グナイ作戦 (連続45日目)

こんなこと言うたら「はぁ?脳味噌暖かいの?」とか言われそうだけど、あたいは結構頭良かったりするよ?ぶっちゃけ天才ですよ?
普段はなんか天然系おばかを演じてますけど、ひらがなだけでしか考えられないナゴナとかと違って、ほらっ!ちゃんと漢字仮名交じり文で考えられちゃうんだよ!すっごーい!まだ八ヶ月なのにすっごーい!天才ぢゃねー?!


…再来月には避妊手術かあ。
嫌すぎる。
なんとか回避する方法はないものか。


まあそれはそれとしてだ、ですよ。
あたいの大事なダイエット道具、テレコスピーカーが隣の家に攫われたわけですよ。いやマジで。マジでマジで。
なんかこー、政治的取引?の結果、なんか隣の家に引っ越してきた刃物とかを振り回すおばさん連中にもっていかれたんだわ。酷いね。この世の末だね。神も仏もないね。
でもあたいは思ったね。
攫われたんなら、連れ戻したらいいよ!
ポジティブシンキング!


ってことで直談判ですよ直談判。
なんかこー、ふぬるけた感じですけど、いちおー主人は立てるのがサムラーイ魂。
勝手に作戦を立案、実行したったってかまわねーってあたいとかは思うんだけど、いちおーモノノフとしては、上に意見を通したったりしなきゃいけないってわかってるんだ。あたいは天才だからね!
早速あたいは同じような不満を抱えているナゴナを仲間に引き入れて、ご主人の下へはせ参じたね!やべえ、すっげー行動力!
主人はここの所暇すぎてだらーんとしすぎてるし、ちょっとあたいとかが渇入れたらいいと思うんだ!
そんなわけであたいは案の定ソファでだらーんとしているご主人に言うたったね。
「はにゃ〜ん♪あたい、テレコスピーカーのおねーちゃんとあそびたいですぅ〜♪」
…OK。これは演技なのです。隣の家に作戦行動するためのお題目なのです。誤解無きよう。
「ぼっぼくもテレコねーちゃんとあそびたいんだ!」
ナゴナの援護射撃も完璧。流石単純バカだけあって利用しやすいですことよほほほほほほ。
主人は口には出さなかったけどハチワレも連れて行けと言う。えー?めんどいっめんどすぎてしぬ!
あたいはだーっと走ったりました。
なんか言われたような気がするけど、聞こえなかったから無視無視!
おっとあっさり隣の家。戸は開けっ放しだけどうっかり入ると地獄絵図。ちゃんと一声掛けてから入ります。
「テレコさーん♪あっそっぼー♪」
返事がない。ただの留守か?
あたいは慎重に中の様子とかをうかがいましたよ。
玄関は使われた様子もなくて、靴さえなかった。多分二階の窓から出入りしてるんだね!でも靴もおかないって徹底してるなぁ。
ほんでちらっとこう言うところとかにありがちな姿見に、ハチワレさんが映りました。なんだい、付いてきたのかいっ仕方のない娘だよっまったく。
でもあたいは心が広いからそのまま見守らせてやることにしました。
ぴょんと飛び上がって玄関マットに無事到着。ちょっと前まではこの高さですら苦労したけど今では余裕さ。余裕過ぎて天井にぶつかっちゃうくらいさ。
嘘だけど。
ほんで、ズンズン進んでいきましたよ。
「テレコさーん♪」って声を掛けながらね。黙ってるといつ真っ二つだかわかんないしね!
あ、でもさっきの靴のことだけど、テレコの靴もなかったけど、ひょっとして出かけてるのか。
それならこんなおっかない屋敷にいる意味が…でもテレコも二階の窓から出入りしてたらどうしよう。
そんな風に考えてたのが愚作でした。
思わず声を掛けるのを停止してたせいか、あたいのすぐ近くをすまぁぁぁぁあああぁぁぁぁっしゅ!って何かが飛んでいった。
思わず硬直するあたい。
大丈夫、身体に当たらなかったから怪我してない。
うわー怖かった。すっげえこわかった。天才のあたいをもってしても漏れそうになった。ナゴナとは違うからそんなそそうはしませんけどね!
「だれかいますかー♪」
そりゃなんかが飛んできたんだから誰かはいるんだろうけど、一応また来たら怖いのでそんなことを小声で叫んでみた。
ちなみにスマッシュの正体はなんかぶさいくなぬいぐるみだった。
こいつめっこいつめっ
夢中で懲らしめていたら、孔明の罠にはまりました。
具体的には首を捕まれた。ちょっちょっと持つとこずれてるっくるしいっくるしいっ
もがいたしツメもお見舞いしてやったのに、そいつらは全然平気で抱きかかえられてまいました。
くっくやしいっ…でもっ…
「ごろごろ」
ものすごく雑な捕まえ方だった癖に、猫の扱いに長けた…誰だ?
斬さんでした。
ひいぃぃぃぃぃ
「またこっちに入り込んできたか。テレコスピーカーに会いに来たのか?」
返事をすると、斬は「オマエと丁度入れ違いに出ていったよ」と教えてくれました。
「ありがとう斬おねえちゃん!」
あたいはしっかりお礼を言って来た道を戻ったよ。
テレコスピーカーが今から行くところと言ったら…
学校だ!







数時間後、散々迷って鳴いているところをハチワレが発見。無事保護した。
本日のグナイの冒険はここまで。