第1話 ナゴナ (連続19日目)

ぼくは…えーと、えーと、おもいだせないけど、ぼく!
ごしゅじんさまがなんかあたまのなかをごにょごにょもにょるたびにぼくはいろいろとだいじなことをわすれちゃうけど、だいじょうぶ、だってわすれたらまたおぼえればいいんだよ?やったー
そんなわけでぼくはかっこいいりーだーねこになるために、こっそりぱとろーるをするよ!
おとなのまねっこなんだけど、それはようする、まねをしておぼえるってことなんだよね!
よくわかんないけど、ぼくははやくいちにんまえになりたいから、がんばるよ!ところでぱとろーるってなに?
なんだかよくわからないけどおとなたちはじかんになるとおやしきから「やれやれ」とか「はーめんどくさー」とかいいながらおもてへいくよ!
そしてたくさんうろついてかえってくる。たぶんたくさんうろつくのがポイントなんだとおもう!だからきょうはぼくもたくさんうろつくよ!やったー
ここまでよんできたみなさんはなんでぼくがそんなにはやくおとなになりたいのかよくわかんないとおもう。
わかっているひともいるかもしれないしきょーみないひともおおいかもしれないけどこんかいはそういうことにしてください。ごめんなさい。
えーと、ぼくがりーだーねこになりたいのは、りーだーねこがかっけーからです。
ぼくはかっけーくなりたい。そしてもてたい。そしてこうびしたい。なんかぼくはもうたまとかをとられてるからむりとかいういじわるなせんぱいとかもいるけど、そんなのきあいだよ!きっとがんばればなんとかなるよ!そんで、そんで、あかちゃんをつくるんだ!そんで、あかちゃんにあげるおっぱいを、ぼくはこっそりいただいちゃうんだ!へへへ、ぼくってわるですね。
わるなぼくですけど、おもてむきにはいいこちゃんなんだ!だっておかあさんそういってたし!なんかしんだとかでつちにうめられちゃったけど、きっといまもぼくをみまもってくれてるよ!へへへ、うらやま?
まあそれはともかく。
そんなわけでぼくはふだんいかないようなところまでしゅっちょーしてますよ。
せんぱいたちは「猫には本来縄張りがあるんだから、決められた所以外は行っちゃダメだぞ?」とかいうけど、そんなむつかしいことをぼくたちにいわれてもわかんないです。なにそのかんじかなまじりぶん。ふざけてるの?
そんなわけでぼくはダメっていわれているへいをよじのぼってガッてはしったったよはしったった。そいつはダッシュってことさ。スーパーはやいっ!
そんなわけはにかいめだけどこねこだからきにしないきにしない!
そしたらびっくり、おどろきですよ。なんか、おっきいおとなのねこがへいにのってるじゃないですか。ぼく、びびるじゃないですか。どういういじわるだよそれ、ぼくにせいちょーのちゃんすをあたえないきかい?
ちなみにせいちょーのせいはりっしんべんのほう!(なんだかよくわかりませんが、そういうとウケるようです。ボケのきほんをはやくもますたー、やったー)
そのおとなねこはてんをつくようなおおきさで、てんをつくとかむずかしいですよね、えーと、ちょうおっきーい、みたいな?なんかしらんけど、ぼくがあるいてたへいのうえをがっちりがーどですよ。このさきはとおさないぜですよ。とおせんぼですよ。ああん、いじわるですよ。
さきにいきたいぼくはそのこわいねこにはなしかけますよ。これはすごいゆうき、だってそのおとなねこはすんごいかおがでかいんだよ?きっとすんごいつよいにちがいない。どれくらいかっていうとせんとーりょくひゃくおくまんてんおーばー?ひゃくおくまんてんってなんだかわかんないけど、とにかくすごいかんじ。なんかこわい。ちびる。つーかもらした。はづかしいことです。
「何だお前、また来たのか」
そのだいごういんじゃき(いみはよくわかりません)みたいなおっきいおすのねこは、さもめんどくさそーにぼくにいいやがりましたよ。うぜえ。めすいがいはのーさんきゅーだ。
「…そうか、また記憶を飛ばされてるんだな。哀れな奴」
なんかしらんけどかわいそかわいそですーてきなことをいわれたきがする。むかつく。ぼくのぷらいどはきずついたよ。
「こんにちわ、いぜんおあいしたようですが、もうしわけありません、おぼえておりません」
ぼくはこういうときようにあんきしていたことばをいったよ。れいぎただしいぼくはいみねーとかおもってもあいさつはかかさないんだぜ!
「ああ、どんだけ脳味噌真っ白にされてもお前は変わらないな…まあ、多分そこが良い所なんだろうがな」
そーいうとこのくそやろーはぼくのくびのうしろをかみやがりましたよ!ぐはっ!ふいうちとはひきょうなり!
「隙だらけなのは相変わらずだな…ほらほら、強がっても勝てないのは判っただろ?とっととお家に帰りな」
でもぼくはあきらめないんだ!なぜならぼくはくるだのようへいだから!
「…前も思ったんだけど、なんだよそれ?聞いたこともないぞ?」
やべえ、ぼくはこころのよりどころをうしないましたよ。ああ、どうしたら。
ともかく、このみちをとおしてもらうのがいいとおもいました。
だってここがとおれないとぼくはさきにいけません。せっかくぼうけんにきたのに、ここがだめならひきかえすしかない。へいからとびおりてじめんにいくせんたくもあるけど、こんなたかいところからおちたらしんじゃいます。たすけてママ。
「とおしてください」
「嫌だ。そもそもここは俺の縄張りだ。何度も言うようだが、俺が優しく諭している間に帰れ」
「とおしてください」
「だから嫌だって」
「とおしてください」
「嫌だ」
「わかりました、かえります」
「えー」
そのおおきいねこはなんかざんねんそうにしましたよ。
「諦めちゃうのかよ…まあいいけどよう。つーか俺のこと全然覚えてないのか?」
なにこのつんでれ、ふざけてるの?
ぼくはおもいました。
これはちゃんす。
きっとこのゆびさきひとつでだうんされるがわっぽいこわいおとなねこは、ぼくたちにきょうみがあるのです。かずかずのいじわるも、ぼくたちのなかまになりたいからなのです。ぼくはこれはしゃくぶくのちゃんすだとおもいました。なかまにしてしまおう。そーすると、ぼくはここをじゆうにとおれるようになるし、なによりこのこわいねこをこわがらなくてすむ。なかまねこでも、たとえばれべっこさまのようになにがなんだかわかんないけどとにかくこわいおばさ…りーだーもいますけど、だぶんなかまだったらこわくないのです。うちうのしんりです。うちうがなにかよくわからないけど、たぶんそんなかんじ。
ぼくはゆうきをだしてひっさつわざをだしてみることにしました。
「ひっさつ!さいみんねここうせんー!」
びびびびびびびび
てきはしんだ。
いゃ、しんだらいけないですよね。
こうせんはくうきよんだのかころしませんでした。むしろのーだめーじ。くうきよみすぎです。
「…面白すぎて哀れになってきたぞ。あーあれか。昨日の晩やったら騒がしかったけど、その時リンクだかシンクロ率だかを上げられたんだな。それで一時的にバカになってるんだな。元からバカだけど。親友の顔も名前も思い出せないとは、ひど過ぎじゃないか?ナゴナ」
なごな。なんだかなつかしいなまえ。そうです、それがぼくのなまえです、なごなはおやつのほーむらんおうです。(いみはよくわかりません)
「俺は別にお前よりアホみたいにでかい大人猫じゃねーよ…年で言ったらお前とタメだ。やたら顔でかいからわからないかもだが、同じ母猫のおっぱいを吸った仲なんだぜ?いわば義兄弟さ。覚えてないだろうが」
「はあ?なにいってんの?」
するとそいつはまえあしでぼくのあたまをてちってしやがりましたよ?
「そーゆーのはビビらずに言わないとな。忘れているならそれで良い。まあともかく、この先はいまのお前さんには危険なんだ。もうちょっと話したいところだが、本気で何にも覚えてないんならこれ以上引き留めても無駄だしな…まあ、いいや。今は帰りな。そんで、なんか思い出したら帰ってこい。俺は何時でも待ってるぜ」
「はあ?ほも?」
そしたらほんきでねこぱんちされました。いたい、れべっこさまにもなぐられたことないのにっ!
「玉無しが粋がるなっつーの。さあ帰れよ。これ以上は手加減もしないし、死んでも知らないぜ?何せ俺の縄張りだしな」
そういうとそのねこはきゅうにものすごくこわくなったのでした。
ぼくはこれいじょーのせんとうにえきなしとみて、さっさとにげたのでした。


おうちにかえると、なんかしらんけどごしゅじんさまがとてもおちこんでいました。きんたまついてるくせに、だらしないな。
ぼくはそのままみすごせないので、ひとこえかけました。
「しろう、おなかがすきました」
それはたぶんごしゅじんさまがすきなしょくじのあいさつです。ぼくはちゃんとおもいだしましたよ。へへへ。
そしたらほめられた。やったー
しょうじき、ふつーのねこならにげだしたくなるくらいくっさいくっさいくっさいくっさいくっさいくっさいくっさいくっさいくっさいくっさいくっさいじょうたいで、ごはんにはつらいとおもったけど、ごしゅじんのはなはばかなのでぜんぜんおーけーっぽかった。
ぼくはくうきよんでいっしょにしょくじしたけど、やっぱつらかった。なのでまたぱとろーるするよ!こんどこそぶいぶいいわしたるぜ!
ところでぶいぶいってなんですか。