[つかわれねこ]第二話 ブラックシスターズ (連続36日目)

「スンタリー!」
「ハチコウ!」
「グナイ!」
「あたいらっ!」
「「「ブラックシスターズ!」」」
「黒猫って事だけどね!どーも。そんなわけではじめましてー♪そこの家で飼われてるっつーか使われてるネコですよー」
「つかわれてるのはわたしらだけじゃなくて、100おくまんびきくらいなかまがいるんですけどね!」
「…ちょっと、グナイ、調子こきすぎ」
「ああっいたいたいみみはやめてみみはいたいいたい!」
「まーこんな風にスンタリーの姉御にヤキ入れられたりしますけど、基本的にあたいらは仲良しなんですー。夜のパトロールもいつも一緒なんですー」
「でも、すんたりーねぇはすぐさぼ…ああっいたいいたいやめてやめてあなあいちゃうあなあいちゃうっ!」
「えーと…取り込み中なんで引き続きあたい、ハチコウが紹介しますけど、この見事なつやつやの毛並みのお姉さんがスンタリー姉さん。喉が潰れてるのでしゃべりは苦手ですけど、その他はパーフェクトな頼れるねぇさんです…サボらなければ(ぼそっ)
ヤキ入れられてる方がグナイ、新入りですが黒毛の雌猫は他にいないので急遽あたいらの仲間に入れました。未だ若いけどわりと使える子なんで重宝してます。ゆくゆくはリーダー猫に育ってくれればなぁ…って感じです。
あたいはハチコウ。見たとおり鉢割れですね。縁起悪いって嫌われたりしますけど、元気です。まあそんなかんじです」
「うわ じぶんかわいそうあぴーる、きもい」
かぷっ
「ああああっだぶるはやめてだぶるわっ!」
数 分 後
「えーとじゃあ改めまして…」
「アシオオイ!」
「ハチコウ!」
「グナイ!」
「あたいらっ!」
「「「ブラックシスターズ!」」」
「あっあれ?スンタリー姐さんは?」
「ああ、急用が出来たとかで、あたいが代わったよ。『声出ないのにそんなしゃべれねーよ』とも言ってた」
「さぼりですね、わかります」
「いつものことですからいいけど、ちょっとアシオオイさん、違うでしょ?アンタは青猫!ブラックシスターズなんだから黒くないと!」
「夜ならわかんないよ!この間あたい、人の前横切ったら『うわっ縁起悪っ』って言われたし!」
「くろねこきょうつうのなやみですね、わかります」
「いやいやいや。それよかアシオオイさんオスじゃないですか!」
「「なっなんだってー?!」」
「なんで一緒に驚いてるんですかアシオオイさん。グナイも調子こいてると…死なすよ?
「ひぃっ」じょー。
「でもほら、あれですよ、あたいとか玉無いですし、レディとして扱ってくれても良いと思うんだわさ?」
「さげんなカマ野郎。セクハラですよセクハラ。あんま調子こいてると…レベッコさんに言いつけますよ?」
「…ごめんなさい」
「わかればよろしい。じゃあ仕切り直しますヨー」
「ハチワレ!」
「グナイ!」
「オクヤミ!」
「あたいらっ!」
「「「ブラックシスターズ!」」」
「ちょっ今度はオクヤミ先輩ですか!」
「や。お前ら楽しそうなコトしてるしさ。仲間に入れてくれよ」
「いやでもオクヤミ先輩は…」
「んー?あたしはちゃんと雌だし、黒猫だし、問題ないと思うけど?つーかむしろお前らのが黒猫として問題じゃないかな?」
「うー痛いところを…確かに私はハチワレですし、グナイは足が全部白かったりしますけど…」
「でもあねさんをなかまにいれてしまうと、へいきんねんれいが…」
かぷ。
「んにゃあぁぁぁぁぁぁっ!あなあきました!あいちゃいましたよ!」
「…うー、それは良いんですけど。オクヤミ先輩って…お笑いとか、苦手じゃないですか?」
「そんなことないぜ?最新のギャグとかも知ってるぜ?『もみじまんじゅうー♪』」
「…ごめんなさい。お引き取りください」
「ちぇー。たまには若い娘に混じって遊びたかったのに…じゃあいいわ」
「…ふう。あっさり引き下がってくれて助かりました」
「そもそもなんでもみじまんじゅうなんてぎゃぐをしってたのかな」
「ご主人昔の下手なギャグ大好きですからね…その影響だと思います。さあ、仕切り直すわよ!」
「うぃ!」
「ハチワレ!」
「オイワイ!」
「アイサツ!」
「あたいらっ!」
「「「ブラックシスターズ!」」」
「ついに雌なのも黒猫なのもあたいだけになったよ!なにこのぐだぐだ!」
「あーなんかしらんけどちっこいのに代わってくれって言われたんだ。まあ面白そうだしマネしてみたんだが…めいわくだったか?すまんかった」
「ごめんなさい、オクヤミがバカでごめんなさい、代わりに僕が来てみましたが…やはり、白猫ですし、場違いでしょうか?」
「あーもう!あーもう!」
「何だかよくわからんが、山に帰るわ。すまんかったな」
「僕も持ち場に戻ります…またオクヤミがサボってるかも知れないし」
「ああああああああああああっ!!!!!もういいっ!私だけでもこのネタ完遂させるっ!それがクルダの傭兵だからっ!」
「いくぜえええぇぇぇぇぇっ!…ハチワレ!」
「レベッコ」
「キャラウェイ」
「あたいらっ!」
「ブラックシスターズ!」
「…ってあわわわわわわわわ、何でこんな所にいらっしゃるんですかレベッコさんっ!」
「ハチワレちゃん?」
「はっはひぃっ」
「あんた、誰の断りを得てこんなコントまがいのことしてるのかしら?」
「はっはい、えーと、これはですね、黒猫共通の悩みとかを同じ黒猫同士で分かち合いたいなーとか、親睦会というか、いざというときの一発芸の練習というか、そういった…ごにょごにょ」
「はっきりしなさい!」
「はい!すみませんでした!」
「誰も叱ってないでしょう!」
「はひぃ!ごめんなさいっ!」
「………どーでもいいよそんなの」
「ちょっとキャラウェイさん?!あなたは仮にも夜間メンバーの中心的存在なんだからもうちょっとねぇ…」
「はいはい、わかりましたよ、だからここまでついてきたっつーのに…あーめーんどーくさー」
「…ふんっまあいいわ。それよりハチワレさん?今、緊急集合かかったのわかってる?」
「え?ホントですか?そっそれじゃひょっとして…」
「あー刃剣や角娘の事を心配してるならそれは違うから。別件よ。多分こっちのがやっかいね。まあ詳しいことはみんな集まってからね。私は他の不良猫どもを回収してくるから、早く猫部屋に行きなさい?」
「はひぃ!行きます!すみませんでした!」
「何度も謝らない!」
「ひー!ごめんなさあああぁぁぁいっ!」

「所でそこに隠れて様子をうかがってるスンタリーさん」
「ぎくっ」
「後でお話があります…」
「えー、またっスかぁぁ?」
「スンタリー!」
「げっキレた」
「もーあなたという子は…まあいいわ。あなたもすぐに猫部屋に集合よ?もし私が帰った時に居なかったりしたら…」
「おしおきですね、わかります」
「わかってんならさっさと行く!」
「うぉっびっくりした。はいはいわかってますよ。ではまた後で」
「ふう…やっと行きましたか…こんな大変なときだと言うのにあの子たちは…」
「ぶらっくしすたーず!」


グナイ、モノも言わずに噛まれる。